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台風19号被災後、転倒骨折して住宅改修して元々の自宅に戻る事ができた事例


2019年台風19号により自宅が被災。80代女性で娘との二人暮らし。一軒家2階建て。居室は一階。身の回りのことはすべて自分で行っており近隣の店舗に杖など使わずに買い物に行ったり外出する事が出来ていた。

被災後、片付け作業中に転倒して救急搬送。左大腿骨転子部骨折後、骨接合術施行。約2か月間の入院を経て退院。被災した住宅は住める状態ではなく、仮設の住宅へ退院された。

退院時は歩行器を利用して歩行で入浴や段差昇降に介助を要する状態であった。仮設の住宅は玄関に大きな段差があり、昇降に介助が必要であった。自宅内では歩行器を用いてトイレなどに行く事が出来ていたが、入浴や家事活動などは難しい状態であった。同居の娘は仕事の為に日中は本人が一人で過ごす事がほとんどであった。

リハビリテーションへの意欲が高く、前向きな姿勢。受傷した左下肢以外の筋力が十分にあった。危険な行動などは控える性格で転倒の危険性は低かった

自宅入浴が行える事、店舗への買い物が出来る様になる事を目標として設定した。

また、被災した住宅の改修の支援、元々の生活に戻る事も目標とした。

玄関段差に対しては福祉用具の貸与で置きタイプの手すりを設置。段差昇降訓練を繰り返し行った。自宅入浴が行えるように、福祉用具として浴槽台、シャワーチェアの設置。安全な入浴動作方法を指導、練習を行った。外出の為の屋外用歩行車を選定。屋外歩行練習、買い物練習を実施した。被災した住宅に戻る際には、住宅改修制度を用いて自己負担額が少ない方法で段差箇所や、浴室、トイレに手すりの設置工事を行った。

介入から約9か月後、上記の目標はすべて達成。被災したご自宅にも戻る事ができ、近隣の店舗まで買い物に行けるようになった。近隣住民はまだ自宅に戻られていない方もおり、他者と会う機会は減ってしまったが、デイサービスを利用し始めてレクリエーションや体操に取り組まれるようになった。生活の安定が図れたため訪問リハは卒業となった。

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